第3話
そう。
最近俺はコイツにかなり悩まされてる。
授業中も、バイト中も、歯磨き中もコイツのことで頭がいっぱいやし。
女が大好きなはずの俺がまさか男を……いや、ない。
あって堪るか。
だいたいコイツが女みたいな顔で女みたいな行動とるから悪いねん。
女にしか見え……いやいやいや!
見えんくても男やし。
成宮の"弟"やし。
弟か……。
ほんまは女ってオチないかな?
「なぁ、拓真君。」
「なに?名倉君。」
名前を呼んだ俺に拓真君は笑顔を向けてくる。
首とか傾げて小動物みたいやし。
女やったら確実に俺のハートにクリティカルヒットやな。
思わずニヤケそうになる口を引き締めて、俺は拓真君に至って普通の顔を向けた。
これから言おうとしてる言葉を怪しまれんように。
「暑いし、銭湯行きたいと思わん?」
ちょっと断ってくれることを期待してそう言うてみた。
こ、コイツが万が一女なら断るはず……!
「銭湯?いいねー。今から行く?」
……やんな。
女なわけないよな。
余裕で即答した拓真君に思わずため息が出る。
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