第26話
『制服で一緒に帰るの、今日で最後だね』
小中高、同じ学校だったので春から別の学校に通うことを寂しく思う気持ちを颯斗に伝えたつもりだったのだが…
『ん…菜々がスカート履くのも、今日で最後な』
『……ん?なんで、どういう意味?』
なぜか突然、スカートの話になって─…
『制服以外で、わざわざ足を出すような服…着たいわけ?』
『い…いや、そんな露出欲求は特に無いけど』
『なら別にいいだろ?菜々は今日でスカート履くの、卒業ってことで』
『でも、オシャレなワンピースとかセットアップとか…ちょっと着てみたい時もっ、』
『─…俺が嫌だ、って言っても?それでも着たいって思う?』
颯斗が嫌だと思うようなことを、わざわざしようとは思わない。
当時の私は颯斗に嫌われることを恐れ…そのよく分からない卒業宣言を受け入れ、卒業式の日を最後にスカートを履くことは一度もなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます