第26話

『制服で一緒に帰るの、今日で最後だね』



小中高、同じ学校だったので春から別の学校に通うことを寂しく思う気持ちを颯斗に伝えたつもりだったのだが…



『ん…菜々がスカート履くのも、今日で最後な』



『……ん?なんで、どういう意味?』




なぜか突然、スカートの話になって─…




『制服以外で、わざわざ足を出すような服…着たいわけ?』



『い…いや、そんな露出欲求は特に無いけど』



『なら別にいいだろ?菜々は今日でスカート履くの、卒業ってことで』



『でも、オシャレなワンピースとかセットアップとか…ちょっと着てみたい時もっ、』



『─…俺が嫌だ、って言っても?それでも着たいって思う?』




颯斗が嫌だと思うようなことを、わざわざしようとは思わない。



当時の私は颯斗に嫌われることを恐れ…そのよく分からない卒業宣言を受け入れ、卒業式の日を最後にスカートを履くことは一度もなかった。

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