第25話

「よし、じゃあ…一番手っ取り早いイメチェン、髪色を少し明るめにっ」



「─…それは、ダメ。髪の毛を颯斗以外の人に触られたくない」



一番分かりやすいイメチェンの為に髪を染めろと言い出した美雪。しかし、髪の毛のことは全て颯斗に任せているのでそれを他の人の手によって変えられてしまうのは私自身嫌だった。




「…なら、シャンプーとかヘアオイルを変えてみるとか?香水は仕事柄つけられないでしょ?いつもと違う香りにドキッと、」



「そういうのは颯斗が選んだやつじゃないと…市販のシャンプーを使ってる女とか無理、って前に言ってたのを聞いた事あるし」



「……美容師の彼氏って面倒だね」




うーん……

面倒だと思ったことは一度もないけどな。




「髪の毛に関すること以外で、何かない?」



「……あ、服装!スカートとかワンピースとか、そういうの菜々があんまり着てるところ見たことないかも!基本デニムコーデだもんね、菜々」



「あぁ…それは颯斗が高校の卒業式の日に、、」




高校の卒業式の日─…



式が終わって友人たちとの別れを惜しみつつ、颯斗と共に帰宅していた帰り道で…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る