第24話

「毎日、職人の手打ちの蕎麦を食べ続けてたらどんなに豪華で美味しくても…いつか飽きがくるでしょ?」



「………え、なんの話し?」



「そこに、三分で作れるお手軽なカップ麺が登場して味見程度に一口食べてみたら…これが意外とイけるな、ってなるじゃん?」



「……カップ麺は、美味しいよね」



「つまり吉岡は今、人生で初めてカップ麺を味わったみたいな経験をしてるってこと。大事に毎日毎日味わって食べてた菜々っていう高級蕎麦に飽きてきて、手軽に手を出せる若い女のカップ麺の味を覚えたってことだよ。」




……分かりにくい例えは、やめて頂きたい。



こんな話をされてしまったら颯斗がカップ麺を食べることを今後阻止してしまいそうだ。




「だからさぁ…菜々も高級蕎麦から本場のパスタにシフトチェンジしちゃえばいいんだよ」



「……はい?」



「マンネリ化の加速を止めるには、何かしらの変化を起こさないと!吉岡に”ん?何か最近菜々の雰囲気違うなぁ…?”って思わせるようなイメチェンを!今すぐに始めよう、菜々!!」




蕎麦からパスタにイメチェンしろ、と言われてもピンとこなかったが…マンネリ化を防ぐ為に変化を、っと言われると納得。




颯斗の気持ちがカップ麺からパスタに移行することを願って、まずはイメージチェンジというやつに励もうではないか。

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