第2章 先生の隣に居たい

得点係

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 体育祭に向けた練習が始まった。


 徒競走や障害走など、高校の体育祭も良くある定番競技だ。





 ある日の放課後。


 今日は係ごとに打ち合わせをするらしい。その為、得点係となった私は、河原先生と一緒に2年生の教室で待機していた。




「……1年と3年が来るから。それまで待機」

「はい」



 何故得点係が2年生の教室かというと、河原先生が担任をしているクラスだから、というだけらしい。



 移動が無いから河原先生と2人で過ごせているけれど、何だか空気が重くて口を開く勇気が出ない。




「……平澤」

「は、はい」




 名前を呼ばれるだけで、動揺してしまう私。河原先生のこと、意識し過ぎて自分でも呆れてしまう。




「係、ありがとうな。引き受けてくれて」

「あ、いえ……」



 ありがとうなんて、思っていないくせに。


 忘れていないんだから。あの時の『やってしまった』みたいな顔。



 そう思うのに。でもやっぱり『ありがとう』と言われたことが嬉しくて、少しだけ胸が温かくなる。





 悔しい。



 今もまた、河原先生への好きが溢れて止まらない。




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