「冬弥先生、滝川先生の奥さんが入院してるって本当なんですか？」

「は？さあね、俺は知らないけど。」

循環器のスタッフがステーションでサボっている俺に声を掛けてくる。

「今日滝川先生有給取ってるし、私服で2階のOP室ウロウロしてました。奥さん見たって言うスタッフもいるし。」

「そうなんだあ？俺、律のお守してる訳じゃないし。だったらどうなの？」

あんなに冷たい先生が奥さんだけには優しいなんてカッコイイじゃないですか？」

「カッコイイねえ？あんなヤツがお好み？」

そう言うと彼女は顔を赤くする。

「あ、憧れているだけです！」

「そうだね、そう留めていたほうが良いよ。律ははなチャンしか興味ないからね？」

「わ、分かってます！！ラウンドに行ってきます。」

彼女は動揺しながら病棟に向かって行った。

「結婚しててもモテる奴は狙われるんだな。」

こりゃはなチャンも苦労するなあ…。

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