第26話

バスルームから出るとまだはなは眠ってはいなかった。


「そろそろ休んだら?明日早く出るんだから。」



「あ、うん。でもアタシが入院したら律…」



「俺の事は大丈夫だから、ひとりでやれるよ。」


俺ははなを心配させたくないからそう言った。



「…そう、だね。律は自分で何でも出来るもんね。」



はなは食材を冷蔵庫に戻す。



「分かってるなら余計な労力使わずに休んで。」



俺がはなの肩に手を掛けようとすると、



「おやすみなさい。」



すり抜けるように彼女は寝室に入った。



俺は自分の手を見つめる。



…こんなの慣れてる、と言ったら語弊があるけどよく小さな事で俺達はケンカをする。



でも最後は…はなが許してくれていた。



今回もきっと……。

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