第7話

「...それホントの話?」


俺は家に帰ると昼間の事をはなに話した


「本当かどうかは分からない。まず冬弥がどういう人間か知らないし...分かるとしたら彼は俺がキライみたいだけど。」



そういうとはなは笑った


「律は敵が多いよね、色んな意味で。」



「まあ、自覚ないんだけど...でも、冬弥の場合は仕方ない。実際彼が後継者だったわけだから。」


なのに俺が戻ってきたせいで...



「でも、医師になることを反対していたお義父さんが本当は律を医師にしたかったって...よく分からない。」


はなは首を傾げる



「俺がよく理解出来てないんだから。現に俺は始めは医学部じゃなかった...」



あれ?


留学を勧めたのは父さんだったけど学部は別の所に受験した


俺は医師になる事を諦めきれなかったから始めから学部を替えるつもりで留学した


医師になってしまえば、地元に帰りさえしなければ文句は言われないだろうと思っていたから


だけど実際医師になった事を知った両親は怒りもしなかった


それは俺自身に無関心でどうでも良い人間だと思われているからだと思っていたけれど...

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