第6話

「話って?」


俺は冬弥の後ろから声を掛ける



「どうして戻ってきた?」



冬弥は俺のほうを向く


「必要とされたから、」



「血の繋がりもないのに大事に育てられて次は病院も貰って?院長にどう取り入った?」



大事に育てられた?俺が?



「...別に大事に育てられたとは思っていないけど、」




「AMI発症しているのにわざわざお前の大学にまで行って、うちにも循環器はあるんだけどね?」



「あれは俺の力量を試しただけだ、」



「死ぬかもしれないのに?」


冬弥は笑い始める



「律、お前を院長夫婦は必死に守って出生のルーツも言わずに、俺達親類との接点を避けてた。」




「それは...俺が滝川とは関係ないから、」



「本当にそう思っているのか?」


俺は冬弥を見る



「なに...」



「お前をアメリカで医師にさせたかったのは院長だったって事を。」



その時冬弥の院内PHSが鳴る



「カテ室からだ、この続きはまた後日。あ、そうだPCIくらいお前の助けなくてもできるんだよ、MEに呼ばれても来るなよ?」



そう言って冬弥はドアを閉めた



惑わされてはいけないと思っていたけれど、

父さんは俺に医師になることを反対したのに冬弥の話だと...


俺は知りたいと思ってしまった

今まで避けていた事に

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