第32話
小柄な凛ちゃんの体は、バランスを崩して床に吸い込まれるように倒れていく。
「凛ちゃん……危ない!」
咄嗟に凛ちゃんに手を伸ばす。
けど、それは虚しく空を切るだけで……。
「おっと、危ねぇな」
代わりに凛ちゃんの彼氏の信彦君が凛ちゃんの体を支えてくれた。
「ナイス!信彦!」
感極まって、信彦君に親指を立てる。
「……どうも」
そんな私に信彦君は片手をあげて応えてくれた。
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