第28話

「え?浴びてるのに気付いたから驚いてたんじゃないの?」




確かにあれは目を見開いて驚いてたよね?



見間違いじゃなく……。




それに、あれだけみんなが見てたのに気づかないはずがない。





成宮君は少しだけ考え込むと、クスっと笑った。




「あぁ、あれか。あれは……」



「ちょっと、山崎さん!」




成宮君の声を遮って、高飛車な叫び声が教室中に響き渡る。





叫んだのは、成宮君のファンの一員、葉山麗香で……。




「な、なに……!?」




葉山さんの声に驚いて、思わず声が裏返った。




呆気にとられていた私の周りを葉山麗香と、その取り巻きの女の子たちがサッと囲む。




「あなた!何を考えていらっしゃるの?」




葉山さんはキンキンと甲高い声で私に叫ぶ。




「えっと、何の話……?」




脈絡の無い話を急に振られて、意味がわからなかった私は葉山さんにそう聞き返した。

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