第26話

ま、いっか。



とにかく、私と成宮君の間にはネクタイ条約が結ばれたわけだし。




約束通り一歩前進したよ。凛ちゃん!




嬉しくて気持ちが高ぶった私は、凛ちゃんの方に顔を向けて硬直した。




クラス中の視線を私が独占していて。




凛ちゃんは苦笑いを浮かべてる。




成宮君のファンの女の子なんて、口をわなわなと震わせてる。




うん。なるほど。わかった。




どうして成宮君が驚いて顔を窓に向けたのか。




この状況のせいだ。




確かに、この状況はかなり堪え難いもん。




あぁ、もう……。恥ずかしすぎるよ……。




堪えれなくなった私はそっと机に顔を伏せた──。

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