第26話

あのまま帰っても良かったのかもしれない。

だけど浦崎君のお兄さんだからほっておく事が出来なかった。


「……菜々、」


誰かが私の身体を揺らす。


「う……ん、」


「何ここで寝てるんだよ!帰れって言っただろ?」


目を開けると浦崎先生がいた。


「あ、浦崎先生熱下がりましたか?」


「おぅ、薬飲んだからな。」


「浦崎君に連絡したら解熱剤飲ますように言われたから、」


私は欠伸をする。


「お前、ソファで寝るなよ。風邪ひくだろーが。」


「熱が出ている先生に言われたくありません。あ、今リンゴ剥きたくないですよね!?」


「剥かねーよ!……凪から聞いたのか。」


そう言うと浦崎先生はため息をついた。

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