第32話

「あの·····もう前からSEは半年おきに異動してるんです。」


「え、そうなの!?」


浦崎君は初めて知ったように言った。

·····浦崎君、前にショッピングモールで出会った同僚の人と話した時に聞いたと思ってましたが。


「お前根暗だけど思いのほか仕事早いし助かってたんだけどな。」


·····根暗だけ余計です。


「延長とかしてくんねーの?」


「チームで動いているのでそれは無理です。」


「だとよ、凪。納得したか?」


「·····ごめん。」


私は無言で首を振る。


そんな私の姿を見てか浦崎先生は、


「お前らホントに上手くいってんのか?それでよく一緒に暮らせてるな、俺なら無理だわ。」


そう言われた時、浦崎君の院内携帯が鳴る。

そのまま彼は急いで集中治療部に戻って行った。



「菜々、お前ちょっと今晩付き合え。」


え、どうして?

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