Lovesick11

第30話

「よぉ、菜々。」


集中治療部から出ると浦崎君のお兄さんに会う。


「こ、こんにちは。」


私は浅くお辞儀する。


「で、どんな感じなんだよ。」


「何がですか?」


「凪との甘い同棲生活は。」


浦崎先生は意地悪そうに言った。


「まぁ、普通·····だと思います。」


「そろそろお邪魔してもいいんじゃね?お兄様をご招待·····」


「招待なんかしないから。」


その声に私と浦崎先生は同時に振り向いた。


「凪、」


「菜々、ちょっと話がある。」


「え、でも私はこの後医局に行かないと·····、」


仕事中に私情の話をしようとする浦崎君が珍しいと思った。


「なんだぁ?喧嘩勃発なんじゃねーの?」


そう言うと浦崎君は自分の兄を一瞬睨んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る