「浦崎先生、この患者さん明日退室で間違いないですね？」

「あ、はい、お願いします。笹川さん今日日勤だった？」

久しぶりに彼女に会う。

ナースも激務で勤務体制も日勤、夜勤でバラバラのため同じナースに頻繁に会うこともない。

「そうなんですよー、久しぶりの日勤です。あ、さっきまで彩さんいたんですけど·····、」

「·····別に会いに来たわけじゃないから。」

そう言うと笹川さんはニヤッと笑う。

「でもICUに来た時ちょっとソワソワしてたじゃないですか。」

「·····してないから。はい、これ退室時の処方だから。」

俺はそう言って彼女にノートパソコンを見せる。

「はーい、あ、そういえば彩さんこの病院来月末で異動らしいですね。せっかく仲良くなれたのに残念です。」

·····は？

俺聞いてないけど？

「げ·····まさか、先生知らなかったんですか？」

「うん、今初めて聞いた。」

そう言うと笹川さんはマズった、と思ったのか静かに俺から離れた。

「笹川さん、まだ俺との仕事終わってないから。」

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