第30話
医局に入ると目の前に今朝の女医さんがいた。
「あ、SEさんお疲れ様です。何かトラブってるみたいですね。」
そう言いながら彼女は私の名札を見る。
「
……よくそう言われるけど実際嬉しくはない。
私は完全に苗字負けしている事は承知の上。
あ、また卑屈な自分が顔を出す。
「こんな時間に呼び出されるなんて、いくら仕事でも嫌ですよね。」
彼女はそう言いながら腕時計を見る。
今は20時。彼女もこんな時間に医局にいるなんて。
「お互い友達や彼氏とも予定入れられない嫌な仕事ですよね。」
そう笑いながら言うけれど、どこか充実した清々しい表情をしていた。
凄く前向きな人。私とは大違いだ。
当たり前か、背負っている仕事の重さが違いすぎる。
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