Lovesick 9

第25話

「彩さんSEしてるんだ。」


「あ、うん。」


できるだけ人と関わらない仕事を選んだつもり。

PG(プログラマー)と迷ったけど……。


「だったら大学は工学部だったの?」


「そう、K大学の工学部……、」

「え、俺そこの医学部だったんだけど……キャンパス違ってたしね。そうか、同じ大学だったんだ。」



私も今知ってめっちゃ驚いてるんですけど。大学も同じだったなんて。

過去に戻れるなら大学生の浦崎君にお目にかかりたかったです……。


「機械に強い理系女だったんだ。意外だな。」


意外って……彼は私の何を知ってるの?

そもそも興味なんてないでしょう?


「浦崎君……、怒らないで聞いて欲しいんですけど。」


「いいけど、その敬語やめない?俺達……付き合うんだけど。」


いやいやそんな親しくもない彼にいくら同級生とはいえ無理な話で。


「お付き合いって……その、好きな人同士が使う言葉ではないかと思いまして……。」


俯いて私はそう言った。

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