第57話

本社に戻っても頭の片隅には院瀬見くんがいた。


いい歳してあんなコトで動揺するなんて。


「文月さん。」


エレベーターを待っていたら古河こがくんに会う。

彼は入社直後は私と同じチームだった。


「古河くん久しぶりだね。今何処の派遣?」


「今はココで(本社)なんです。」


「え、そうなの!?良いなぁ……、」


後輩だけどしっかりしていて上司ウケも良い。


「文月さんの所に葵が助っ人で入ってると聞きました。」


「葵……、あ、院瀬見くんのこと?」


「はい、同期なんで。エレベーター来ましたよ。」


古河くんはそう言うと先に私が入るのを促す。

中は誰もいなくて彼と2人きりになった。

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