第48話

「まぁ、葵は文月さんの事何とも思ってないんだろ?」


「え、あ、まぁ年上だし。」


テーブルに料理を並べると俺はエプロンを外す。


「葵は誰か気になるヒトいないの?」


健人にそう言われて考える。


「そういうの考えたことないし。」


「誰の誘いも断ってるんだってな、勿体ない。もしかして上司のお嬢様でも狙ってんのか?出世コースに乗りたいとか。」


「まさか、それこそ興味無いよ。」


「冗談だよ。」


健人は笑いながら言った。


「でも健人、彼女いるだろ?」


「いるけど結婚はまだ考えてないし。俺はまだ恋愛を楽しみたいの。」


恋愛を楽しむ……その意味がよく分からなかった。

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