第47話

「落ち込んでいる?いや、そういう感じじゃなくて。」


健人のワイングラスが空になっていたから注ぐ。


「葵、文月さんはダメだぞ。」


ガチャンッ、


健人の言葉に手元が狂ってワイングラスにボトルが当たってしまった。


「……どういう意味、」


俺は健人を見た。


「お前知ってるだろ?俺が文月さんちょっと狙ってるの。相手にされないことは分かってるけれど。」


「え、そうだった?」


「は?俺結構あからさまにお前に伝えてたつもりだけどな。それか……とぼけてんのか?」


「あ、いや、真剣だとは……思っていなかったから。」


ちょっと健人の言葉に気持ちが追いついていなかった。

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