第39話

「美希さんは佐々木さんを好きだと思いますけど。」


あ、やっぱり知ってたんだ。

まぁ美希のモーションのかけ方はあからさまだから。


「本人から聞いたの?」


「いいえ、逆に分からない方が可笑しいでしょう?」


院瀬見くんは携帯を見ながらそう言った。


「告ればいいのにね。」


「無理でしょ、佐々木さん彼女いますよ。」


「ふうん、そうなんだ……って、え?」


思わず持っていたお茶を落としそうになる。


佐々木さん彼女いたの!?

知らなかった。

だから美希は狙ってるのかと思ってたんだけど。


焦っている私を院瀬見くんは冷静に見ていた。


「知らなかったんですか?美希さんも知ってますよ?」


どういうこと……。

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