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「で、男目当てのくせに、初心者なりにめっちゃサッカーのこと勉強してるし。図書室とかでさ、ずっとサッカーの本読んでたりとかしてたじゃん」


「男目当てとか言わないでください。違うもん……。てか、何で図書室でとか知ってるんですか?」


「眉間にこうやってしわギューッて寄せて、すごい顔してんの見つけたことあったから。あれブスだったよ」


「ひとこと余計なんです!」



またブスって言った!


ルールブックの説明が、活字だと理解し難くて、何度も何度も同じところを読み返してたから、難しい顔になってしまったのだと思う。


今度から、周りの目に気を付けよう……。



「あの顔くせになっちゃってさあ、何回も見に行ったし」


「さっきは可愛いとか言ったじゃないですか」


「かわいい、かわいいー」


「棒読みなんですが!?」



先輩は、怒る私を楽しそうに眺めながら、声を出して笑う。


そして席を立ち、どうしたんだろうと様子を伺っていると、私の隣の椅子を引いて、そこに座った。


肩が触れそうなほどの距離に、緊張で縮まってしまう。

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