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「何してるんですか?こんな時間まで」


「……」



やっぱり。


話をそらして、聞かれたくなかったのはこのこと。



「もしかして、いつも部活が終わったあと、ひとりで練習続けてたんですか?」



そんな、まさかとは思うけど。


何かと理由をつけて、いつもサボろうとするこの人が。


浅野先輩は苦笑いをして、返事の代わりにとでも言うように、私の手元にボールを投げた。



「わわっ」



意外と重たくて、落としそうになりながらも両手でキャッチ。



「知られたんなら、もう梨子ちゃんも共犯。手伝って。ゴールまでドリブルするからさ、ちょっとタイム計ってよ」



浅野先輩の表情は、いつものからかうような笑顔に戻っていた。

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