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その日の練習が終わって、制服に着替え、部員みんなで帰路につく。


私や知宏は徒歩通で、澪先輩や浅野先輩は電車。


駅とうちは反対方向だから、一緒に歩くのは校門まで。



澪先輩と喋りながら校門まで向かい、何気なくかばんの中を確認すると、あるものを忘れたことに気づいた。



「あっ、学校の中に忘れ物!すみません、私戻ります」


「大丈夫?気をつけてね」


「はい、また明日!」



手を振る澪先輩にお辞儀をして、私は再び校舎の中に戻ることにした。



「おー、梨子。俺待ってるか?」


「ううん、大丈夫。ありがとう!」



後ろの方から他の部員と歩いていた知宏に声をかけられ、手を振って断る。


こんなところを浅野先輩に見られたら、また今日みたいに知宏にべったりって嫌味のひとつも言われる。


周りを見ると、浅野先輩の姿は見えなかったから、余計な心配だったのかもしれないけど。

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