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「浅野くん、口悪くてごめんね?」


「いえ、澪先輩が謝ることでは……」


「女の子には基本優しいんだけどなぁ。広く浅く。うーん、梨子ちゃんのことはお気に入りなんだと思うよ」


「まさか」



あれの、どこが。


入部からずっと、優しくされたことなんてない。


そんな、無理やりいいように言ってもらわなくても、ちゃんと分かってる。


澪先輩は、ふふっと柔らかく笑う。



初めて浅野先輩を見た日、ちょっとかっこいいかもなんて思わなきゃよかった。


あの真剣な瞳に、目を奪われたなんて。


……きっと、何かの勘違いだったんだ。

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