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「こんばんは。」
その男は――
――ストーカーじゃなかった。
隣人の
「こんばんは。どうぞ上がって下さい。何のご用ですか?」
田村さんをリビングに招く。
外は真っ暗。そういえば、まだ夕飯は食べていなかった。でも田村さんと食べるわけにもいかないので我慢。
私はお茶を出した。多分、田村さんも長居はしないだろう。
「――ここ最近、近所で不審者の目撃情報が相次いでいるらしいです。ですから、唐澤さんも気をつけたほうがいいかと思います。唐澤さん、一人暮らしでしょう?」
「そ、そうですね……、気をつけます」
ここで私がストーカーに遭っていることをカミングアウトしたら、田村さんはどんな
少しだけ
「――私がもし、ストーカーに遭っているとしたら、田村さんはどうしますか?」
「警察に通報して、僕が守ります。」
「それが仮にイケメンだとしても?」
「どんなに顔が良くても、ストーカーはストーカーです。迷わず警察に通報します。例え、唐澤さんの知り合いだとしても。」
「私、ストーカーに好かれているんです。」
「え――。」
「なんて、冗談ですよ。」
私はそう悪戯に微笑んだ。
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