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 夕方。

 眩しいくらいの夕陽が射し込み、もう時は下校時刻だ。秋の冷たい風が頬に触れ、季節を感じさせる。


 ストーカーこと叶多かなたはいつもの場所――乃悠の通う学校から少し離れた、木々の裏――で待ち伏せをしていた。


 だが、しばらく経っても乃悠は一向に現れない。


 (マジかよ……。)


 叶多は乃悠がいないと生きられないのに。


 狂ってしまいそうだった。

 いや、もう既に狂っている。


 会いたい。触れたい。感じたい。苦しい。会いたい。苦しい。


 発狂しそうで、たった1日会えないだけなのに、何でこんなにも苦しくなるのか、叶多自身にも分からなかった。


 早く帰って、部屋中に貼られた、乃悠の写真を見たい気持ちでいっぱいだ。


 じゃないと、死にそうだ。


 「乃悠のせいで死にそうなんだよ。」


 「俺が死にそうなのに、今頃乃悠は何やってんだよ。」


 「許さない。」


 今度会った時には、おしおきしてやろう、と決意する叶多だった。



 ――――――――



 私は学校を休んで、眠っていた。

 携帯のアラーム音で起きるかと思っていたのに――。


 違った。



 ――ピンポーン。


 こんな時間に誰だろう……。


 リビングに備え付けられたモニターを見てみる。


 その人はフードを深く被っていた。

 ストーカーと同じ、黒いパーカーを着ていた。



 嘘でしょ……。

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