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私は通学中いつも、知らない人にストーカーされていた。
ストーカーが始まったのが、いつなのかは覚えていない。
――怖かった。
近づいてくる足音。狂気じみた気配。とっくに自宅は特定されているだろう。でも襲われたり、誘拐されたり、殺されそうになったり、そういった実害は今のところ、無い。
いや、この人のはそういうものじゃない。なんていうか、私のことを好き? みたいな。自分でも何を言ってるのか、分からない。
一度だけ、ストーカーの顔を見たことがある。
その日は裏路地に逃げていて、行き止まりになったんだけど。そしたら、風でストーカーが被っているフードがめくれて――。
ニヤリ、とストーカーは笑っていた。もう気持ちの悪いくらい、歪んだ笑顔で。
そこで彼の好意を自覚した。なんていうか、その笑顔で全てが分かってしまったんだ。
怖かった。ただ凄く怖かった。
ストーカーは私のことが好きでも、私は彼のことを好きになれない。
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