第30話
それから─…流されるように、シーツを乱してただただ彼に溺れた。
「なんつー顔、してんだよ」
慣れた手つきでと内腿との境目を擦りながら、時折私の顔を見つめてはあざ笑う。
彼の言う通りだと思う。胸を弄ばれただけで息を乱し、熱を纏った身体…これより先、、なんて考えただけでどうにかなってしまうのはわかりきっていた。
それでも─…私に拒否権なんてものはない。
いやらしい音が静かな部屋に響くのを耳が捉えて、恥ずかしさで死にたくなった。ガクガクと震える脚を閉じようとすれば開かれ、腰が浮いては下から腕が差し込まれ…そのままの状態で固定される。
「…んぁっ、、やっ…だめ、」
「ん…気持ちいいのなぁ、分かった分かった」
意地悪な彼は指を使って私のことを弄び、反応を見て嬉しそうに笑うとキスで唇を塞ぐ…ナカを攻める際もキスを求める際も、絶え間なく胸への愛撫をやめない彼は─…やっぱり胸フェチなのだろうな、と上手く回らない思考でそんなことを思った。
散々、前戯だけで達してしまった後…ここからが本番だ、というように私の上に跨った彼を見て、身震いをした。─…これ以上は、壊れる。
宣言されていた通り、シーツは色んな意味で乱れ…濡れてしまっている。つまり私の身体は既に彼のことを受け入れる準備は万全だというわけで─…
「─…紬葵、力抜いてっ、」
それでも緊張して強ばる私の身体に、再び彼の綺麗な指が触れて…ほんの少し力が抜けた瞬間一気に突き上げられて身体が震えた。
「あー…ヤバっ、、ハマりそー…」
もうそれから先のことはあまり覚えていない。ただただ…気持ちよくて、理性なんてものはもはや存在しなかった。
結局その日の夜、私が寝落ちしてしまうまでの間に3回も交わってしまった。
意識を手放す寸前、唇にキスを落とした彼の表情があまりにも優しいもので…愛されているのかもしれない、なんてイタい勘違いを起こしそうになった。
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