第29話


星空を眺めて黄昏れていると、メッセージ音がポッケの中で響いた


ゴソゴソと取り出して確認する


そして私はの心臓がドクンと波打った


『…冬弥』


メッセージは冬弥からだった


急いで内容を確認する


《今日流星群だって。流れ星見た? Toya》


何事もなかったようなメッセージ


《見たよ。 友梨》


我ながら可愛くない返事


《ちゃんと願い事した? Toya》


《した。 友梨》


《なんて? Toya》


《内緒。 友梨》


ここで可愛い子は冬弥に会いたいって言うんだろう

でも私にそんな勇気はない


スマホを強く握りしめた


《だよね。俺見れなかった。 Toya》


《仕事?今ならまだ間に合うかもよ。 友梨》


《外にいるけど見てる暇がない。 Toya》


《忙しいんだね。 友梨》


空を見上げる暇もないほど忙しいんだ


撮影とかなのかな


《すげー忙しい。百面相見るのに。 Toya》


《百面相? 友梨》


なんのことだろ?


《驚→喜→笑→真→悲 今は困かな。 Toya》


驚いて、喜んで、笑って、真顔?真剣?かな

そして悲しんで…今は困惑?


全然わからない


《困ってる人がいたら助けてあげましょう。 友梨》


よくわかんない返事になってしまった


そろそろ家に帰ろう


足を家の方向に向けた時、私は目を疑った

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