第7話
「えー、何それ。怪しすぎ!」
『やっぱり?』
仕事が終わって真希と朝の出来事を話しながら駅に向かう
「ストーカーじゃない?」
『そんな大袈裟なものじゃないけどさ…』
「わかんないじゃない。気をつけなさいよ?」
『んー…悪い人じゃなさそうだったんだけどなぁ』
「そういう奴に限って危ないのよ!顔だってわかんないんでしょ?そんな芸能人じゃあるまいし!」
『そうだね…あ、駅で買い物してから帰るからここで。また来週ね』
「うん、またねー♪」
駅前に着いて、せっかくの週末に美味しいおつまみでも買って帰ろうとデパ地下に向かった
『あ、これも美味しそう。んー…でもこっちも捨てがたいなぁ…』
空腹時の誘惑に負けそうになりながら吟味していると、背後から声をかけられる
「飲みに行きませんか?」
こんなところでナンパ?
何考えて…
『…え?何で…』
「連絡先教えてくれなくてもいいから、飲みに行こ」
風邪の人が立っていた
やっぱりストーカー?
どうしよう
「何かする気もないし、怪しい人間じゃない」
『いや…本当にすみません』
「飲みに行って怪しいと思ったら帰っていい。それでダメならキッパリ諦める」
『いやいや…』
「病気なんだ」
『え?』
急な悲しげな声に心が揺れる
「もう長くない。最後に好きになった人と思い出がほしい」
何それ
そんな…
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