第6話
終点駅に着いて改札を抜ける
会社に向かって歩いていると、後ろから肩を叩かれた
『?』
風邪の人が私を呼び止めたのだ
「ありがとう」
『へ?』
「覚えてる?」
『風邪、治ったんですね』
わざわざお礼言うために追いかけてきたの?
「おかげさまで。俺だから優しくしたわけじゃないんだな」
『はい?』
言ってる意味が全く分からなくて朝から頭をフル回転させる
「仕事?」
『え、あぁ…はい』
「あぁ、ごめん。時間ないから率直に言う。連絡先教えて」
『…いや、お礼とかは大丈夫ですよ』
「それもあるけど、それだけじゃないから教えて」
『えぇと…』
何だろうこの人
やっぱり怪しい人?
「怪しくない」
『え!』
「顔に出てる」
全く顔は見えないけど、微かに笑っている
「教えて」
『いや、そんな急に言われましても…』
何だろう…
ナンパ?
「仕事って何時に終わる?」
『いや、あの…ごめんなさい』
やっぱりちょっと怪しいかも
私は、足早に会社目指して歩いた
その人は追いかけてくることはなかった
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