第10話

女神の部屋は良く言えばモデルルーム、悪く言えば生活感が全く無い、人が住んでいるのかわからないような部屋だった。


リビングの奥にあるグレーのソファーに女神を

そっと優しく降ろす。


「ありがとうございます、重かったですよね?」


「いや、軽すぎて驚いた。その小さな身体に羽でも隠しているのか?本当に飛んでいきそうな程だ。軽すぎる。」


「何言ってるんですかっ」


女神は控えめに笑った。


「…いたた、やっぱりまだ痛い〜」


「大丈夫なのか?ご家族の方は?」


「えっと、父は今九州に長期出張で母は離婚していません。兄弟もいないので、この家は今、私だけです。」


「…俺と同じだな」


「…っえ?」


「いや、とりあえずもう休むんだ。無理をしてはいけない」


「はい、ありがとうございます。こんな見ず知らずの私に優しくしていただいて…」

「あ、今更ですが名乗ってなかったですよね?」

「私、神崎 亜優(かんざき あゆ)です。」


(かんざき あゆ )

俺は女神の名前を心の中で噛み締めた。


「俺は、南紫音だ」







読んで下さる全ての方に感謝を。

もう一つの作品をメインに更新しているので、

こちらは少し遅めです。

いつもありがとうございます♡

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