第7話

何だこれ、何だこれ、何だこれ!!!?


目の前に座る女の子、俺と似た落ち着いたブラウンに緩やかにカーブした痛みのない髪。色素の薄い瞳。

小さい鼻に口。おそらく155センチもないだろう小さな身体。小さい手。

一瞬で彼女の全身を脳内に焼き付けるように見る。


彼女は不思議そうな表情をしたかと思ったら、すぐに顔を顰めて、また下を向いた。


(体調が良くないのか?)



「きみ、大丈夫?どこか辛いの?」


俺の声に小さく反応した彼女は、


「大丈夫です、ただの偏頭痛だしさっき薬飲んだので。」


控えめに答えた。声まで愛らしい。耳から浄化されているようだ。


「偏頭痛か、俺の妹も苦しめらられている憎き病だな。姫だけでなく、女神までもか。」


「…ひめ、?……女神?」


「君達の事だ」


「っえ?…」


「女神、家はどこだ?運ぼう」


「えっ、いいです、大丈夫ですっ!薬もあるので」


「遠慮するな。傷付いた女神をそのままにしておく事は出来ない」


「いや、でも…」


急に話し出したからか、女神はまた顔を顰めて俯いてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る