第5話

職場までは最寄り駅から電車で乗り換え無しの20分。徒歩の時間を考えても、一時間あれば余裕だ。

もちろん、社会人の俺は時間に余裕を持ち、行動するので念の為、一つ早い電車に乗っている。


平日の朝の電車は満員状態に近い。

例外なく俺ももみくちゃにされながら

職場に向かった。

そうして、今日も一日、働く。

俺はそこそこ大きな会社で経理を任されている。


入社して二年も過ぎれば、給料に倣うように仕事量も増えてくる。

俺は騎士としても忙しいのに、まぁ、仕方の無いことだが。

小さな不満はどうしとも零れてしまう。


(あ~、電話じゃなくて姫に会いたいな…)



そんな姫中心の俺の毎日に女神様が舞い降りるまであと、少し。


俺の女神様はもう、近くまで降りてきていたのだ。

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