第3話

姫は朝起きるのが苦手だ。

それ故、モーニングコールも一度や二度なんかでは全く起きないのも把握済みだ。


何度もしつこくかけて、やっと繋がった電話。


『………………………』


「もしもし?おはようっ!天音ちゃん」


『………………………』


「天音ちゃん?聞こえてる?」


『…………うん。』


「朝だよ~?起きて顔洗って用意しな?」


『…………うん。』


スマホの向こう側でバタバタ音がする。

お姫様はやっと意識が覚醒したようだ。


『お兄ちゃん、いつもありがと。起きたよ。今から用意してくるね?』


「気にしないで。俺の至福時間だから。」


『…ありがと、お兄ちゃんもお仕事頑張ってね?』


「ありがとう。じゃぁ、切るよ?」


『うん、ありがと』


ここまでが、平日の毎日のルーティン。



毎日大変じゃないかって?

全く大変ではないっ!

むしろ、この至福は誰にも譲らない!!!


あ、ごめんね?大きな声出してびっくりしたよね?

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