第30話

「天音ちゃん、大丈夫?偏頭痛俺はならないからわからないけど、兄貴がなってるの見た事あるけど、かなり辛いみたいだね」


本当に心配してくれてるんだなって伝わってくるほど、気にかけてくれる明良くん。



「ね〜、あたしもならないからわかんないけど、宝良(たから)くん寝込んでるし、酷い時は吐いてるもんね。あ、宝良くんってのは明良のお兄ちゃんね」


と、明良くんのお兄さん情報を教えてくれた美香。

貴重な偏頭痛仲間だ。



「あ、てか本題!あのクズ男、今日天音が居ないって知った途端、なんか騒いでたけど大丈夫だった?」



「騒いでた?特に何もないよ?連絡も…あ」

そう話しながらスマホを確認すると充電切れ。何も応答を示さないそれを見て充電を開始した。



「充電切れなのね、あたしも何度か連絡したのよ?」



「ごめん、見てなかったよ」


スマホとか見てたら余計頭痛くなるしね、そんなやり取りをしていたら、明良くんが少し言いにくそうに、頬をほんのり染めてつぶやく。



「あのさ…天音ちゃんのその格好って部屋着だよね?」



(ん??)



あたしは今の自分の服装を座ったまま確認する。

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