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第29話

翌日。やっぱりというかあたしは朝から酷い偏頭痛に苦しめられた。

昔からストレスや心配事、疲れが溜まったときになるのだ。ママから遺伝した厄介な体質。

長い期間、この体質に苦しめられてきたのでもちろん、薬もケアグッズも常備しているし全てケアを完了させた。

熱も出ないので、美香に今日の講義の代返を頼んで残りの授業はレポート提出で何とかなるだろう。



「あとは、部屋を暗くしてひたすら寝るのみ!」



冷えピタをおでこに貼ってベッドに横になり目を閉じた。







…ポーン、ピンポーン


「…んっ、、?」


ゆっくり覚醒する意識。まぶたを開ければ部屋は夕暮れ時。ずいぶん寝たみたい。おかげで頭痛もほとんど良くなってる。



部屋に鳴り響くインターホンが誰かの来客を告げている。

ゆっくりベッドから起き、ドアモニターを確認するため立ち上がった。モニターには美香と明良くんが並んで立っていた。



急いで、手櫛で髪を整えながらモニター越しに喋る。



「はい、ちょっと待ってね?今開ける」



「天音大丈夫?スポドリとかゼリー持ってきたよ?

電話したんだけど、出なかったから来ちゃった」


「天音ちゃん大丈夫?俺まで急に来てごめん、顔みたらすぐに帰るね」


「二人共、わざわざありがとう。ただの偏頭痛だからもう大丈夫。すぐ開けるね?」



そうしてダッシュで顔と歯を洗い玄関ドアを開けて二人を招き入れた。

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