第25話

ゆっくりあたしから離れた天真。

その間もずっと、ねっとりとした視線を感じながらも

あたしは聞いた。



[ねぇ、どうしてあたしの部屋の場所わかったの?

 教えたことなかったよね?]



今日アパートで会ってからずっと気になっていた事を聞いた、そのとき部屋の温度が少し、下がったように思えた。



[ふっ、ああ、そりゃ気になるよな。教えたはずのない自宅を他の人間が知っていたら。

簡単なことだよ。天音と大学で別れた後に、大学内の人間に聞きまくったんだよ。

案外こんな原始的な方法でも見つけられるもんなんだな。]



(大学内の人に…?)

(確かに、大学からこのアパートは近いし、なんなら同じ大学の人もいる)



「ちょっと時間かかっちゃったけど、この時ばかりは、広い交友関係があって良かったって初めて思ったよ。」



(天真が?わざわざそんな事してまで探したの?)

(天真のそっくりさんとかじゃないよね?)



アパートでさっき会った時、汗ばんでいたのはそのせいなの?

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