第33話

どうして、俺は、






「っ、ふ、ぐっ……」



「まだだよ」



「っ、」



この世に、生まれてきたのか。





「まーだ」



「っ、っは、」



「まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ」



「っ、」



誰でもいい、教えてくれ、




「まだまだこんなモンジャナイダロ?耐えられるよなぁ?なああああああああああああああ!?」




どうして俺は、




「お前のカラダは丈夫なんだろ?そうなんだろ?なぁ、」



「ぅ、ぐっ、」



「 ヒ ス イ 」




ウマレテキタノ。





























「……様…、翡翠様」



「っ!」



「大丈夫ですか?」



「えっ…?……ああっ、大丈夫、だ」



魘されるようにして目覚めた翡翠は、汗まみれになった額を押さえながら、呼吸を整えた。


時折走る、腹部の激痛に眉を歪めるけれど、それを隠すように布団に顔を埋める。




「……里見、悪い。タオルと水、持ってきてくれないか」



「かしこまりました」



里見はそれに気付いているのかそうでないのか、すんなりとそれを答え、そのまま部屋を後にする。


腕を瞼の上に置き、ふー、と深い息を吐き、呼吸を整えた。




酷い、夢を見た。

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