タブレット一つで異世界無双

お茶茶

大学? 何それ美味しいの?

季節は、夏の終わりに迫る頃。

俺、鈴木祐真(ユウマ)は、学生の本業である学業に縛られることなく、高校生活最後の夏休みを1人、気楽に過ごしていた。

本来ならばこの時期、我々受験生にとって過酷なものになるはずだったのだが・・・・・。

先月に行われた学校推薦型選抜試験で、見事に大学からの推薦を勝ち取った俺にとっては、すでに関係のない話であった。

もうあと半年しかない高校生活だが、思い返せば返すほど俺にとっての高校生活は、苦い思い出の連続だった。

気が合わないというか会話が合わないためろくに友達もできず、学校ではいつも1人。入学してから初めての三者面談では、担任の先生から内部推薦を貰うためには今のクラスでは難しいと聞かされ、特例として認められている進級時でのクラス変更のために勉強に励む苦しい日々。

そのため部活動は行わず、放課後にたまに開かれていた勉強部という名の本来、補修の人達を面倒を見る場(基本、誰もいない)によく行って勉強を見てもらった。

まさに思い返せばそれとなく悲惨な高校生活ではあったが、

こうして無事、推薦を貰えたことだ。 全て水に流そう。

そう俺は誓ったはずだったのに・・・・・。

なんでだろう。

胸の内に何か拭えないものがあるというか、このモヤモヤした感情は。

俺は、このまま普段通りにしていれば、確かに大学には行けるわけで。

そう、大学には行けるわけで。

大学・・・・・・・。

俺はふと思った。

大学って、何? それって、美味しいの?


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