家に帰ったら飼い猫が人になってた
リアン
第1話 飼い猫が人になってた………
私は
私だって結婚はしたい。けど、はっきり言ってわざわざ気遣ってまで一緒に暮らすなんて苦痛だし、第一私には可愛い可愛いニャンズがいるから一人暮らしでも平気だし!
私は社会人2年目と4年目の時に保護猫を飼い始めた。会社の給料は良い方だったし、住んでるマンションもペット可だったから、癒しとかストレスの解消の為に買い始めた。
1匹目は雑種の大人しめでクールな性格の女の子、ダウナーっていう言葉が似合う。歩き方とか立ち振る舞いからなんかお嬢様っぽい雰囲気を漂わせてる。ソファーの肘掛けを使ってる姿はもう中世のお嬢様を連想させるほどだったよ。名前はナツ。
2匹目は黒猫の活発な女の子。まぁ〜とにかく元気! 元気の権化みたいな子でよくナツにちょっかいを出してしばかれてる。(ナツは基本的にはおとなしいけどヤル時はやる) 人懐っこくてよく背中に飛んでくる。想像で人にしたらたぶん小学校低学年くらい。名前はフユ。
今日もスーパーでおやつと夜ご飯を買って家に帰る。
「ただいま〜…………あれ、おかしいな」
いつもだったらドアを開けて入るとニャーなんて言いながら2匹ともお出迎えしてくれるのに、今日はその姿がなかった。
「…………はぁ?」
不思議に思ってリビングに入ると、衝撃の光景が広がっていた。
なんと、リビングに2人の裸の少女がソファーで身を寄せ合って寝ていたのだ。
「ん? 帰ってきてたの!? おかえり!!!!」
「わぁ!!」
私に気がついたのか、寝ていた1人(小さい方、小学生くらい?)が私に飛びかかってきた。
「撫でて撫でて〜!」
「あ、うん……」
呆気に取られながら少女の言われるがまま少女の頭を撫でる。髪の毛はサラサラで、普段から手入れをちゃんとしてるんだろう。
「ふわぁ………幸せぇ」
なんかフユを撫でてるみたい。あの子も撫でられてる時こんな感じなのかな。
「ね、ねぇ………お嬢ちゃんは誰なのかな? どうして私の家にいるの?」
私がそう言うと少女の顔が固まった。
「え……?」
「鍵閉め忘れてたのかな。そういえばナツとかがいない、まさか家出!?」
「私フユだよ」
「あの子達お家の環境に慣れてるから外で生きていけない!」
「ねぇ、私フユだって」
「フユなんか喧嘩っ早いくせにビビりだから車に轢かれちゃう!!」
「うぅ〜! フユはここにいるもん!!!!」
「なんで私のニャンコの名前知ってるの!?」
「フユはフユだもん!!! お姉ちゃん!!!」
謎の少女がそう言うともう1人の方に走って行って顔にビンタを喰らわしてもう1人を起こした。ちなみにビンタの音は漫画みたいだった。
「痛ぁ!? なんなの!?」
「ナツお姉ちゃん! お母さんが私を私を忘れちゃったの!!」
私はあんた達のような美少女の親になった覚えは無いんだけど………ていうかちょっと待って!? 今あの子なんて言った!?
「んー………あぁ、そりゃそうだよ。だって私たちニンゲンになったんだもん」
「………そっか!」
よいしょと言いながら大きい方(ぱっと見高校生くらい?)の少女がソファーから起き上がった。
「お母さん、おかえりなさい。何が何だかわかってないと思うけど、説明はするね」
「お母さんになった覚えない……」
「まず、私はナツ。で、あっちにいるのがフユ。なんかいつの間にか私たち人になってたの」
「そんな事ある!?」
「そんな事になってる……」
「いやそうなんだけどさ……」
「………それだけ」
「いやいや! 人になった経緯は!? 戻れるの!?」
「………あと言葉は喋れるし、人と同じ物食べれるよ」
「わぁ、キャットフード代が浮くわ………じゃないよ! 質問に答えなさい!! ほんとにナツとフユなの?」
1番重要なことを聞く。
「うん、それは本当。お母さんに引き取られた時の事話してあげようか?」
ナツ(仮)?が迷い無く頷く。
「………フユ、おいで〜」
「なぁにお母さん!!」
フユであろう少女をこっちに呼ぶとすぐに来て私に抱きついてきた。この抱きつく速さ………フユね。
「2人はナツとフユで間違いないわね、もう考えるのはやめたわ。ただいま、2人とも」
「おかえり、お母さん」
「お母さんお腹すいた!! ご飯!!」
家に帰ってきたら愛猫が人になってた。信じられない事だけど、実際に起こってるし………これ以上考えても無駄だから考える事はやめた。
まあ、良いふうに考えれば娘が出来たって言えるしね、うん。
「ご飯はお惣菜買ってきたから、それ温めるね。その前に………お洋服を着よっか」
裸の美少女2人、目のやり場に困るから。
家に帰ったら飼い猫が人になってた リアン @556514
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