第27話
「だいったい俺は仲間思いでも優しくも偽善者でもねーよ。つーか、俺はいい人でもねーから善良でありたいと思ったこともねーわ。偽る以前の問題だわ」
嘘偽りなく、と言った感じで、
さらりとそんなことを言ってのけるトラくんに伊吹は呆れた顔をして「最低」と呟く。
勿論それに気づくことなく、トラくんは目の前に立つナツキさんを見下ろしたままだ。
「まー、アレだな。俺は面倒なことが大っ嫌いなんだよ。金にならないことはしねー主義だし」
「それが?」
「だから、アンタとこうやって話してる時間は、俺にとって最っ高にくだらなくて無駄な時間なんだよ」
「………」
「そして俺は今リュウと一緒にいる。つまりここにいる全員、時間を共有してんだ。…もう、言わなくてもわかるよな?」
「………」
「テメーとリュウとの会話は、俺にとっても無駄で胸糞悪い時間なんだよ。わかったらとっとと消えろ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます