第31話

次の日からさっそくバイトへ向かう。



「おはよ~ございま~す!!」


基本は元気に挨拶でしょっ。




「しぃ~。患者さんいるから静かにね!」


受付のお姉さんに叱られてしまった。



お姉さんの名前は、

林さん。



もう2年もこのバイバイ歯科で働いているらしい



今22歳で、

バイトではなく就職したんだって…



今日はバイト初日だったので、

林さんから仕事を教わった。



受付やカルテ整理、

会計…。


覚えることの多さに

頭は混乱。




「これで全部。今日はもう終わりだよ!」



白衣から私服に着替えようとロッカー室に行くと

林さんは周りを確認しながら美嘉に近付き耳打ちをした。



「先生に気を付けて。セクハラみたいなそーゆーのでやめてく子たくさんいるから…」



「え、それって…」



詳しく聞き出そうとした時、

遠くから医師が林さんを呼ぶ声が聞こえた。




「じゃあ、お疲れ様!」


林さんは医師のもとへと走ってゆく。





歯科を出て歩きながら考えた。



先生に気を付けろ?


セクハラ??


やめた子がたくさんいるって…??



林さんが言った中途半端な言葉のせいで、妄想を巡らせていた

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