第30話

小柄で痩せ型の医師。


歯科医師なのになぜか歯並びが悪い。



歯科医師だから歯並びがいいわけじゃないんだ…


顔を見つめながらそんなことを思っていた。

以外と余裕があるのかも




医師はしばらく履歴書を読み、

そして顔を上げて質問を投げ掛けてきた。




「18歳…だね?」



「はい。」



「週何回働ける?」



「3回でお願いします」



「田原さんは、一人暮らしかな?」



「…えっ?」




一人暮らしかなんて関係ないじゃん…

と思いながらも沈黙に耐えられず答えた。



「一人暮らしですが」



「じゃあ明日から来て下さい。」



「はい!ありがとうございます!!」



「じゃあとりあえず今日は帰っていいよ。」



「よろしくお願いします!!」



帰りに、

受付のお姉さんに頭を下げ外に出た。






嬉しいから優に電話をかけちゃえ!!


♪プルルル♪




『はい~』



『優!!バイト受かったぁ♪明日から♪』



『もう決まったん?早いな!おめでとさん♪俺と遊ぶ時間も作ってなぁ』



『もっちろぉーん♪じゃあ明日ね!!』




バイトするのが楽しみなわけじゃない。

ただ合格したのが嬉しかった。

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