第29話

家を出て、

着いたのは4時40分。



不吉な時間だ。


まぁ、

4時44分よりはいいけどね…。



ちょっと早く着きすぎたかな??


でも遅刻するよりはいいかぁ♪





中に入ると、

癒される音楽。


それに反する子供の泣き声。



受付のちょっとぽっちゃりとしたお姉さんに話しかけた。




「あの、昨日連絡した田原です。」



「田原さん、お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」



ニッコリ笑い、

個室へと案内してくれたお姉さん。




「もう少ししたら先生が来るのでお待ち下さいね。」


そう言って受付へと

去って行った。




もし美嘉がここに合格したら、

これからさっきのお姉さんがしていたように受付に座って仕事するんだ。



なんだか緊張して胸がドキドキして来た…




その時、

ゆっくりと開くドア。



「田原さんですね?」



おそらくと言うか、

確実に歯科医師だ。



医師はマスクを取り、

美嘉の向かい側のイスに座る。




「田原美嘉です。よろしくお願いします。」




医師に履歴書を差し出す




今日の授業中に一生懸命書いた履歴書を…。

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