第9話

この低い声…


「優!優でしょっ!?」


目隠しする手を離し、

後ろを振り向く。




なんとケンちゃんだ。




「彼氏の名前間違えるなんてヒドイな~!」


テーブルの陰から優が笑いながら出て来て、

立ち上がった。




「騙すとかありえない~!!」


持っていた箸で優の指を刺す。



「あいたたた!悪かった悪かった♪」



学校で優とこんなふうに仲良く出来るなんて…

なんか夢のようだ。


これからもずっとずっと続くといいな。


K大学を受験して、

本当に良かった!!





ご飯を食べ終わり、

サークル会館へ行くことにした。



前に一度見学した

“旅行サークル”に入る予定!!


旅行好きだし

優もいるしね!!



大学生ではないイズミも、一緒に旅行サークルに入ることになった。



正式な手続きをするために部室に行く。





「失礼しま~す!!」


前に一度ここに来た時はまだ制服で…緊張してなかなか部室に入れなかったっけ。


でも、もうれっきとしたK大学生♪




そう思うと自信が持て、堂々と部室に入ることが出来た。



なんと部室にはすでにシンタロウとヤマトがいて

ちゃっかり手続きをしている。


行動が早い…。

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