第4話

初めて着るパリパリとしたスーツに袖を通す。



スーツは大学の制服みたいなものだ。



スーツを着ると、

なぜか大人になれたような気分になってしまう。



大人っぽく変身した自分を想像しながら、

寝室に置いた等身大の鏡の前に立った。




…絶句。



童顔にスーツが全くと言っていいほど似合っていない。



それどころか最近染めたばかりの金髪に近い茶髪のせいで、

ホステスのようだ…。



そんな自分の姿にため息をつき、

メイクを始める。



歯を磨いて、

髪をセットすれば準備はOk!!




気合いを入れてコロンなんかつけちゃったりして…。



そんなことをしているうちに入学式の時間は迫り


美嘉は急いで家を飛び出した。




入学式の会場であるホテルみたいな会館の前に到着すると、

アヤに電話をかけた。



『今どこ??』



『玄関の前にいるよ♪』


玄関まで走ると、

みんなはすでに集合している。




長身で黒ぶち眼鏡のシンタロウはなぜか妙にスーツが似合っていて、

最近高校を卒業したとは思えないくらい大人びて見えた。




ギャル男から大分落ち着いたちょいギャル男のヤマトは、

やはりどう見てもホストにしか見えない…。

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