第15話
「ねぇ、なんで私じゃなくてなずなさんを
選んだの?」
絣が誠也にたずねた。
「うん、まあ、きみよりなずなが家庭的だと
思ったからかな」
「ごちそうさま。で? 実際はどうだったの?」
「まあ、半分当たって半分外れってところかな」
誠也が正直な感想を述べた。
「なに、それ? どっちなのよ」
「たしかに家庭的なところもあった。しかし、どこか
得体がしれないようなところも」
「ホントになに、それ? すごくわかりにくいんだけど」
「ときどき」
「ええ」
「なずなが怪物に見えるんだ」
「まあ」
絣が心底驚いたように目を大きく見開いた。
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